禁域―秘密の愛―【完】
「ご、ごめんなさい………」
もはや、それしか言えず私は言われた通りの席に座った。
もう………、かれんちゃんには悪いけど今直ぐに帰りたい。
「華美(はなみ)。お前、最初からそんなに冷たくお友達にあたるなよなぁ?」
「この子は友達なんかじゃ無いわ。同僚の研修医の知り合いよ!優斗こそどうしてこの子とーーーー」
「さぁ?何でだろうな?華美の想像に任せるよ」
私とは一番遠い手前の席に座った、さっきの男がヘラヘラとそう言って私は絶句した。
何で火に油を注いでるの………この人!?
案の定、女性は私に物凄い勢いで詰め寄ってきた。
「っ、あなた!そうなの!?あなた優斗と待ち合わせしてたの!?だから、遅れたの!?」
「っ、ち、違います!!誤解です!」
「あはは、華美〜。冗談だって。本当にそこで会っただけ。だから、放してやりなよ、この子を」
言い争いの元となった当の本人はヘラヘラと面白そうに私達を見ていた。
…………元はと言えば、この男が変なこと言うからじゃない!!!
そう言いたかったけれど、もはやこの空気で言えるはずもなく。
「ま、まあ。飲み物頼もうか!な!」
真ん中にいた男性がそう言ったのをきっかけに、その話題はスルーされ、合コンは始まったのだった。