禁域―秘密の愛―【完】
「じゃあ次、えっと………君かな?」
ため息をついた途端、ある男性に目線をやられ、私は緊張する間も無く立ち上がった。
とりあえず………テキトーに言っとけばいいよね?
「え、っと………綾瀬 瞳です。25歳で、他の女性の方々とは違うのですが、三好製菓で働いています。よろしくお願いします」
私はできるだけ笑ってそう言った。そして、一斉に拍手が送られ、頼んでいた飲み物も運ばれてきた。
良かった…………。なんとか、やり過ごせた。
今度は安堵のため息を私はつくのだった。
けれど…………ここからだった。
ここからが、本当の試練の始まりだったーーーー。
ーーーーーー
「………っ」
料理もある程度運ばれ、皆が好きなように、喋っている途中だった。
私も同じく奥側の席にいた弁護士の卵の人とそれとない会話を繰り広げていたのに。
「ーーーーハロー、綾瀬さん」
いつの間に、園屋さんは………この男は私の所へ来たんだろう………!