禁域―秘密の愛―【完】
「………あ、あの」
その登場が突然すぎて、言葉もでない私に園屋さんは
「弁護士の卵くんと華美はトイレだよ。やっと、綾瀬さんと喋れるわ、俺!ラッキ〜」
そう言って、園屋さんはニッコリと少年のような笑みを浮かべた。
そういえば、ずっと藤原さんと喋ってたよね………。
どちらかというと、藤原さんが園屋さんを絶対に掴んで離さないといった雰囲気だったけど。
ずっと藤原さんとそのままで良かったのに、と思ってしまった。
やっぱり簡単に、一度焼き付いた印象というのは消えない。
園屋さんが、どこか軽い人間に思えてならない。
ーーーーその時だった。
「ね、ねぇ!園屋さん!」
園屋さんに話しかけてきたのは、私の隣に座っていた女性だった。歳は私とそんなに変わらなかったと思う。
何やら、必死な様子だ。一体どうしたっていうんだろう………。
「………ん?どうかした?君も混ざりたいの?」
「いや、え、えっと……もうすぐ、お開きだから自分の席に戻った方がいいかと」
「………いや、君、何言ってるの?そんなんじゃ俺、ずっと華美と話さないといけないだろ?それじゃ何のためにここに来たか分からない」