禁域―秘密の愛―【完】
そして、話自体もとても楽しかったけど。
…………でも、やっぱりどこか軽さがある感じがする。
何なんだろう、この違和感。
お金持ちのお坊ちゃん、ということもあるのだろうか…………。
ーーーーいや、でもそれは偏見………だよね。
裕福な家庭に生まれたからといって…………何も苦労せずに育ったというわけではないってこと、私はよく知ってる。
巧をずっと見ていたから…………よく知ってるんだーーー………。
そう思ってた時だった。
「綾瀬さん!まさか、もう帰るの?」
園屋さんに話しかけられた。なんていうタイミングだ………。
「え、は、はい………まぁ」
「えーーー!そんなの駄目だよ。二次会行こう、二次会!」
「………え?」
二次会、って言っても合コン自体はお開きになってるわけだし……
「俺と二人で………駄目かな?美味しいお酒を出すホテルのバーがあるんだけど」
その後の私の考えは、園屋さんが教えてくれた。
「………俺、本当に綾瀬さんのこと気に入ったんだよね。だから、良いでしょ?」
そう言って、クスリと笑みを浮かべる園屋さん。
その表情からはかなりの余裕がみえた。