禁域―秘密の愛―【完】


そしてーーーー、夜。

会社をでて、一旦家に戻り直様着替えると私は、原口部長との待ち合わせである居酒屋へ向かった。

居酒屋へ到着すると既に原口部長は来ていた。
相変わらずの天真爛漫な明るい笑顔を浮かべながら私に手を振る。
さすが、宣伝部の部長といったところ。

「お待たせしました、すみません」

「いや構わないぞ。俺も急に誘ってしまったし」

「いえ……そんな事ないです」

「ははっ、綾瀬はやっぱり優しいな。まぁ、とりあえず中に入ろう」

原口部長は、そう言うと私を居酒屋の中へと招き入れた。
直様、店員が駆けつけテーブル席を用意してくれた。

テーブル席は隣の席とも完全に壁で仕切られていて、個室だった。

とりあえず私達は席に座った。

「今日は俺の奢りだからな。じゃんじゃん飲んで食べろよ、遠慮はするな」

「い、いいんですか?」

「可愛い部下に、食事を奢るくらいどうって事ない。あ、そういや綾瀬って酒はあんまり飲まなかったな………。あーーーー、しまったな。悪かったな、このチョイス。本当に悪かったな綾瀬」

「いえ、大丈夫です………お気持ちだけで」

私は原口部長に微笑みかけた。優しいのは部長も同じだ。

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