禁域―秘密の愛―【完】
すると………、原口部長は一枚のメモを胸ポケットから取り出して私に差し出した。
「ここに、優斗君の連絡先が書いてある。コイツをどうするかは、お前次第だ。けど、あれだ………。まぁ、園屋物産の次期社長を邪険にすることは怖いからなぁ。できたら連絡してやれよ?ははっ」
原口部長は、冗談っぽくそう言うと話は以上だと言い、あれよこれよと飲み食いし始めたので私はそれに合わせるのに精一杯だった。
けどーーーーー
「……必死な、顔……か」
園屋さんの必死な感じなんて、考えろって言われても無理だけど。
帰宅した後も………原口部長のその言葉が離れなくて私は悶々としながら手渡されたメモを見ていた。
ーーーー園屋 優斗。
…………二度と、会いたくないと思っていた。会うはずもないと思っていた。
だけどーーーー
「………仕事が落ち着いたら。ううん、私の気が向いたら…………」
それでもいいなら…………
園屋さんがそんな表情をしていた理由を聞きに行く機会くらい作ってもいいかもしれない。