禁域―秘密の愛―【完】
「それは…仕方が無いです」
ただ、それだけを言った私に………園屋さんは、照れたように微笑んで"ありがとう"と言った。
そして、そのまま彼は話を続けた。
「だから、その度に行くのはホテルか、それだけで満足しない女には買い物に連れて行って少し金目の物を買ってやるとか…………マジでそれくらいしか、してなくて。今は、特定の女と次どこに行きたいか………だとか。どんな風にしたら、喜ぶかとか。そんなことばっか考えてる………しかも、呆れるくらい必死に」
「園屋さん………」
どうしよう。そんな、彼の気持ちが………嬉しい。
「私も……久しぶりなんです。こんなに男性と一緒にいるの」
本当に、真っ直ぐに私の事を見ていた園屋さん。
ある意味初めての事だから…………不器用ながらも精一杯私を喜ばせようとしていた園屋さん。
その姿は………ずっと巧を見ていた、私の心を別の方向へと確実に導いている。
「綾瀬さん…………いや」
不意に園屋さんは、私の手を握りしめてきた。そしてーーーー
「…………瞳って呼んでいい?」