禁域―秘密の愛―【完】
そして、私は当日、電話で優斗さんに仕事が長引きそうでどうしても、彼の家に行き料理はできそうにないと伝えた。
彼は、どこか残念そうな声をしたものの"いいよ、じゃあまた瞳が時間ある時で"と言ってくれた。
夜は一緒に食べようということになり、今夜20時くらいに、私の会社の最寄り駅で待ち合わせになった。
「………ふう」
電話を切った後、私は胸を撫で下ろした。
ごめんなさい、優斗さん…………。あなたを騙すような事をして。
だけど、直接、あなたが私の事をどう思っているか聞くまでは…………私はそこに行けない。
ーーーーーーー
ーーーーそして、20時前。
「お疲れ様でした」
私は残っている、仕事仲間に挨拶をすると退社した。
うん、今会社を出れば………時間内に駅に着きそうだ。
そしてその時、スマホが着信を私に知らせた。
相手は…………優斗さんだった。
「はい、もしもし?」
『瞳?もうこっちに向かってる?』
「あ、いえ……まだですけど、もうすぐで着きます。どうかしましたか?」
『あ、いや…………その、』
「…………?」
どうしたっていうんだろう。電話越しの優斗さんの周囲はざわついていて、そこは駅前だろうと容易に想像できたので、尚更不思議だった。