禁域―秘密の愛―【完】


「な…………」

完全に言葉を失った私は、今すぐ逃げ出したいのに、その場から動けずにいた…………。

「………綾瀬さんが来たわ」

そして、藤原さんの悪魔のような台詞とともに…………

優斗さんがこっちを振り向いた…………。



「ひ、とみ…………」



「っ、優斗…………さん…………」




どう、してーーーー…………?




彼の姿を見かけた途端、私は涙がでそうになった。

「…………っ!」

いや…………見られたくない!そして、もうこれ以上…………彼に近寄りたくない。

そう瞬時に思った私は………その場から、逃げ出していた。

「………ッ、瞳!!」

勢い良く走り出した私を………彼は、全速力で追いかけてくる。



どうして………何で、追いかけてくるの?



さっき………ハッキリ分かったのに。
彼は最初から、かれんちゃん達の憶測通り私をもて遊ぶ気で…………それで、私に気があるふりをした。



全部全部、最初から嘘だったって…………分かったのに。



「ッ、瞳ッ…………!!!」

「…………!!」

そう思った瞬間、私は彼に腕を掴まれた。

「待てっ…………!瞳っ………!話を聞くれっ……!」






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