禁域―秘密の愛―【完】
「っ、はぁっはぁっ……」
優斗さんの姿が見えなくなると、私は呼吸を整えるためその場に立ち止まる。
ーーーーさっきの表情が、頭から離れない。
"…………俺は、大好きだったよ。瞳"
「っ、うっ…………」
涙が、止まらないーーーー…………。
嘘よ…………きっと、嘘よ。
嘘なのにーーーー…………
「どうして………」
こんなに、心が苦しいの?
こんなに、誰かに責められたような気分になるの………?
ーーーーーーーー
ーーーーそして、数日後。
「おはようございます………」
あの日の大雨で完全に体調を崩した私は、約三日ぶりの出勤となった。
就職してからは、滅多にないことだった。
「あっ、おはよう!綾瀬さん!もう体調平気なの?」
先に来ていた同僚が私に話しかけてきた。
「はい………ご心配おかけしてすみません」
「本当に?何だか顔色が悪いわよ?無理してでてきたんじゃない?」
「えっ……」
やっぱり私、そんな風に見えるのかな…………。
無事に、熱はなんとか下がったけれど………この三日間、優斗さんのことばかり考えて心は、あの時のまま止まっていた。
優斗さんの悲しげな顔が頭から離れなくて……………。