禁域―秘密の愛―【完】


誰かを探している様子の………その姿。



「優斗…………さん?」




嘘…………、どうして、ここに?



そう思った瞬間彼と視線が重なりーーーー



「………見つけた……!!」



私はその腕に、抱きしめられていた………。

「っ、優斗さんっ………!」

私は涙が止まらなかった。

会えた………もう一度、会えた。

そのことが堪らなく嬉しくて………。

「やっと見つけた………。瞳………、会いたかった」

私も………私もだよ、優斗さん。
その答えを返すため私は代わりに彼を抱きしめる力を強くする。

「瞳にどうしても、謝りたくて………この駅にいれば会えるかもしれないと思ったんだ。ごめんな、瞳………酷いことを言った。そりゃ、不安になるのも無理はないんだよな………俺のしてきたことを考えたら」

「っ………」

「それを知らない馬鹿な俺は瞳に信じられてないのがショックで………思わずあんな酷いことを言った。本当にごめん、瞳…………。ちゃんと伝えるから」








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