禁域―秘密の愛―【完】
「そうなのか?あの容姿に頭脳だぞ。しかも、桐谷商事の一人息子だろ?相当目立ってたと思うけどな。巧君は」
「そんな噂も聞いてたけど………ほら、桐谷君も言ってたでしょう?私達、あまり関わりが無かったんだよ?」
桐谷君、だなんて…………嘘つき。本当に、嘘つきだ………。
そして、私は優斗に………大切にしなければならない人に嘘をついている。それも、苦しいよ…………。
「そうか。瞳がそう言うならそうかもな。巧君もそう言ってたし…………」
「…………そうだよ」
もうこれ以上………嘘をつきたくない。
「…………っ」
私は………苦しかった。巧を忘れないといけないことも、優斗に嘘をつかないとやっていけないことも…………。
「瞳…………?」
だから、巧のことを尋ねてくる優斗の唇を………塞いだんだ。
「瞳、どうした?急にまた………反則だな」
そう言うと、彼もまたキスを返してくる。