禁域―秘密の愛―【完】


巧が、私をまるで射るような目線で見つめてくる。
私は、その彼の目にまた…………初めて会った時の冷たさを感じた。



分かってる……………分かってるよ。



「分かってる…………。もう、巧とは…………昔のようにはいられないって」

ただ、好きで…………それだけで。高校生の時はあなたと短い間だったかもしれないけれど…………確かに一緒に想いを育むことができた。

だけど………桐谷商事という巧が守るべき大きなものが現れてから…………私達の関係は決して許されなくなった。

そして、巧は朝香さんと。…………私は、優斗と想いを育むようになった。




ーーーー…………何もかも、全く無くなって変わってしまった。




「分かってる………分かってるよ。何もかも、変わってしまったから…………」


だけど…………だけど、私は


「だけど、どうして……………?」

「…………え?」

「どうして、そんなに…………また、冷たい目をするの?悲しそうな顔…………してるの?」

「…………別にしてないだろ」

「…………してるよ!!そんな顔、見たくないよ…………。巧のそんな顔は……見たくない。巧には…………」

例え傍に私がいなくてもーーーー



「いつも、幸せに…………柔らかな笑顔でいてほしいの…………」





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