禁域―秘密の愛―【完】
「ははっ。それだけは勘弁して!出会った頃の瞳は恐ろしかったからな〜!俺に敵意向けまくりで」
「それは、優斗がチャラ過ぎたからよ!」
「あはは、そうだった、悪い悪い」
こうやって冗談を言うのもきっと、私の為。私を笑わす為。
ーーーーそんな優しいこの人が………私を大切に想ってくれているこの人が…………愛しい。それも今ある事実に変わりない。
私には私の道がある。
巧には巧の道がある。
今、私が優斗にこんなに愛されて…………毎日を過ごしているのは、きっとそういうことなんだと思う。
そう、思うのに…………今歩んでいる道を真っ直ぐ歩けば、皆幸せになるに決まっているのに。
「………っ」
お風呂に浸かりながらも…………巧の顔が浮かぶ。
大好きだった、他の何にも代えられなかった…………彼のことが。
何でだろう……………?
「っ、………うっあっ………」
このままでいいはずなのに
どうしてこんなに…………泣けてくるのかな……………?