禁域―秘密の愛―【完】
気が重いまま、待ち合わせ場所の優斗のマンション前まで向かう。
着いた時には、……………既に巧がいた。
「おっ、おはよう!」
緊張しながらも私は巧に話しかける。
「…………ああ、おはよう。早いな?」
早い、って…………巧の方が早かったじゃない。
そういえば巧はいつも待ち合わせより遥かに早い時間に来てた。
そして、私の為に飲み物まで買ったりしてくれた…………。
「…………っ」
また私、そんな昔のことを考えてる…………。
ダメだ…………ダメ。この人はもう私のものじゃない。
ーーーー…………結婚、するんだから。
「は、晴れたね!よかった………。えっと、朝香さんは?」
「その事なんだが…………」
そして、巧も信じられないことを言い出したんだ………。
「…………来れなくなった、明日の昼過ぎまで」
…………え?
「ごめん。今、何て?」
「はぁ。お前、聞こえなかったか?」
巧が呆れたようにため息をつく。
いや、聞こえたけど………空耳だと思ったから………。
「朝香が来れなくなった。急に溝口議員から、接待の呼び出しがあった。それも、相手は党の代表だからどうしてもという話で」