禁域―秘密の愛―【完】
「あの…………巧」
すっかりと項垂れてる巧に向かって私は恐る恐る声をかける。
「その…………嫌だったら、旅行なんてやめていいんだよ?私となんて…………」
思わず私はそう言った。…………だって、普通に考えたらそうだよね。
婚約者を差し置いて昔付き合ってた人と、少しの間とは言え旅行するなんて出来ない。
「あの…………」
「ーーーー……………い」
「え?」
巧の声がよく聞こえなかった。だから私はもう一度聞き返した。
「だから…………お前と二人でも別に、嫌じゃないよ。ただ…………いきなりだったから驚いただけだ。気にするな。折角ここまで来て今更解散っていうのもな。それに、明日には二人も来るんだろう?」
「…………!」
どうしよう……………
ーーーー"お前と二人でも別に、嫌じゃないよ"
巧にそう言われただけなのに………こんなにも、嬉しい。
曇っていた心が一気に晴れた気分だ…………。
「ていうか………お前はどうなんだ?俺といて…………嫌じゃ無いのか?」
ーーーー嫌?私が…………?
巧と2人で一緒にいることができるのに?
そんなこと…………
「そんなこと…………あるわけないよ。あるわけないじゃない……………」