禁域―秘密の愛―【完】
部屋に着き、戸を開けると広い畳の居間が広がっており、真ん中に横長い木材のテーブル、藍色の座布団があった。
そして、その先の扉を開けると……
「わあ!テラスに露天風呂も!」
檜の浴槽でできた、二人ほど入れそうな露天風呂があって………その横にはテラスがあり綺麗な宿の日本庭園を一望できる。
「凄い…………」
「気に入ったか?」
巧が横からそう聞いてきた。
「うん、とっても!素敵ね」
「ここは、温泉宿だからな。他にも源泉掛け流しの大浴場と、貸切できる露天風呂もある」
「そうなんだ、疲れが凄くとれそうだね」
これは、一つの宿で温泉巡りができそうな感じだ。とても楽しそう。
「では、桐谷様。私共はこれで失礼します」
「あ、…………いや、もう一部屋案内して欲しいんですが」
「えっ?もう一部屋…………?まさか」
女将さんはサァッと顔色を変え、電話をかけだした。
そしてーーーー
「申し訳ございません!私共の不注意で一部屋との予約だと思っておりこのお部屋しかご用意しておりませんでした」
慌てたようにそう言った。