禁域―秘密の愛―【完】
「えっ!?」
その言葉を聞いた途端、巧までも慌てふためいている。
一部屋しかないからこの部屋で二人泊まればいいだけのことなんだけど…………ダメなのかな?
「何とかなりませんか…………」
「連休なので他のお部屋も全て埋まっておりますし…………。本当に申し訳ございません!このお部屋の料金は頂きませんので…………」
「あ、あの、巧?私は大丈夫だよ? ここの宿の方も困ってるみたいだし。この部屋でも充分広いし…………」
私がそう言うと巧はますます目を丸くした。
「…………お前、それ本気で言ってる?」
「えっ?本気、って…………?私、何か変なこと言ってる?」
「…………変も何も」
そう言うと巧は、はぁっと盛大にため息をついた。
そして、何かを決心したかのように女将さんの方を向き
「…………分かりました。 この部屋で良いです」
そう言ったんだ。
「よ、宜しいですか? 」
女将さんの少し戸惑ったような表情が気になったけれど、私は事態が解決してホッとしていた。