禁域―秘密の愛―【完】
「あぁ。………ま、楽しんでるみたいで良かったよ」
「うん!楽しいよ!あっ、ねぇ!今度、あっち行ってみようよ!」
「っ、おいっ………」
私は、巧を半ば引っ張る形で連れて行った。
「………強引だな。しかも、子どもみたいにはしゃいでる」
そう言いながらもどこか楽しそうな巧。
「うん!そのくらい楽しいよ!だってーーーー」
ーーーー巧がいるじゃない。こんな自然と美術に囲まれた…………私の好きな場所に、巧もいるじゃない。
だから、楽しいんだ。
「…………?何だ?言いかけたなら言えよ?」
「えっ、な、………何でもないよ!」
言えるわけないじゃない…………。そんなこと言えるわけーーーー
…………その時だった。
「うわ、………なんか雲行き怪しくね?」
「本当だ!まさか雨?」
近くを通りかかったカップルがそう言いながら不満そうに通り過ぎて行った。