禁域―秘密の愛―【完】
「雨………?」
確かに…………雲がいつの間にか厚く空を覆っていた。そして、飴がポツポツと降り出した。
「降って来たな…………。駐車場まで走るぞ!」
そう言うと、巧は自然に私の手を握って走り出した。
「ーーーーっ!?」
久々に感じる巧の手の温もり…………。胸が一気に高鳴った。
いけないのに、こんなにドキドキしたら………いけないのに。
胸の動悸が収まらないーーーー。
「…………大丈夫か?大分濡れたな」
セダンに入った後………巧は、私の頭に水色のタオルをのせて、また拭いたジャケットを背に被せてくれた。
「しばらく、暖房が効かないから………寒いだろ。タオルで拭いて、ジャケット被っといてくれ」
「でも、巧が風邪をひいちゃうよ………」
「お前が、体調崩すよりマシだ。いいから言うこと聞け」
どこか、強い口調で………巧はそう言った。
どうしよう…………その変わらない私を気遣う優しさにも………ドキドキするよ。
どうしたらいいの?全く止まる気配なんてない。
ダメなのに、分かってるのに。だけど、否定しても否定しても…………深い、想いが強くなるばかりでーーーー。