禁域―秘密の愛―【完】


「…………っ、何でもない」

「おい、本当にどうしたーーーー」

「ど、どしゃ降りじゃない!早く帰ろうよっ………!私の事はいいから…………!」

私はなるべく声が震えないようにしてーーーー、そう巧に叫んだ。

「っ、あぁ…………分かった」

巧は勢いに押されたのか、それとも何か感じたのかそれ以上は何も言わずセダンを発進させた。

それからの車内はどこか気まずい空気で………息が詰まりそうというのは、このことなんだと思った。

そして、宿に帰り着いてからも、その気まずい空気は私達を包み込んだ。

雨は激しさを増す。ーーーー雷も鳴っている。

最悪の状況だ…………。


「………俺、何かしたか?」

不意に………巧がそう言ってきた。

「っ、別に………。何も………ないよ」

私は目を背けながら話す。
巧の目を見て話せそうに無かった。巧の目を見て話したら私は…………


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