禁域―秘密の愛―【完】


「嘘を言うな。本当なら、俺の目を見て話すはずだ。…………お前は、嘘を上手くつける女じゃないから、直ぐに分かるんだよ」

「なっ…………」

「いいから、話せ…………瞳」

その時…………、電話の着信音が聞こえた。恐らく巧のスマホだ。

「巧…………電話」

「今はお前が先だ………」

思ったよりしつこく聞いてくる巧。


どうしよう………。このままじゃーーーー


でも、しつこいのは



「まだ、鳴ってる…………」

巧のスマホも同じだった。こんなに長く巧のスマホに電話をかけてくる相手………それは

「…………仕方ないな。ちょっと待ってろよ」


巧の婚約者、朝香さんしかいないーーーー。



『巧!やっと、電話に出た!いつまでもでないから心配したのよ?』

「朝香…………」

「………ほらね………」

やっぱり…………今の巧に、私は写っていない。

私だけが…………、8年前から時が止まったまま動けないだけーーーー。


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