禁域―秘密の愛―【完】
これでは、巧に忘れられても当たり前。仕方が無い…………。
…………そう、思った時ーーーー
「…………っとに」
「え…………?」
「…………本当に、何でお前は………そんなに掻き乱すんだ?俺の事をーーーー」
「えっ………?」
それはーーーー、一瞬の出来事だった。
「…………っ!?」
後ろから………私は、巧に抱きしめられていたーーーー。
ーーーー抱き締められた瞬間。
確かに、感じた。
時が……………止まっていた時が動きだす。
その瞬間を
それをあたかも嘲笑うかのように外の雷雨は激しさを増した。
「…………ど、うして…………?」
あれほど愛し合った事も…………そこから得た溢れんばかりの幸せもそれに比例するくらいの悲しみも…………全部。
あなたは…………忘れていたんじゃなかったの?
「瞳………」
「ーーーーっ」
耳元で囁かれる、あんなにも求めてた人の声。
恋焦がれ…………、 あなたしか見えず
…………そして、全て崩れそうになった。
そうなる前に………、私とあなたはお互いに背を向けた。
「俺は一度も…………お前を、想わない日は無かった」
ああ。―――ーなのに。
どうして…………
あなたはまた…………
「好きだ………瞳………」
私の心に簡単に、止められない熱い感情を生み出すのーーーー…………。
「………た、くみ………」
ーーーー巧…………。
動く音がする
けして触れてはいけない“禁域”の歯車が廻る音がーーーー。