禁域―秘密の愛―【完】


「そ………んな、だって巧は………私の事忘れてるって」

すると、巧は私の事をギュッと、強く抱きしめた…………。

「あんなの…………嘘だ。全部、嘘に決まってるだろ…………」

「…………っ」

「俺が、お前を忘れる事なんてあるはずがない…………」

「巧っ………」

伝わる…………。巧の想いが、体温を通して伝わってくる。

「…………瞳は常に俺の中にいた。けれど…………月日が経つに連れ、瞳には、二度と会えない…………。そうも思うようにもなった。
瞳を想い続けても何も進展はない。それより、その先の将来を考えた時に朝香とのことをきちんとすることがベストだと思った俺は…………朝香と一年前婚約したんだ。そうすることで、お前を完全に青春の………儚い恋愛の記憶にしようとした」

「そう………だったの………?」

同じだ…………。
巧と私は…………同じ道を歩いていたんだ。

「あぁ………。それで、すぐその後、優斗さんが家に来て………とても、嬉しそうな顔で言うんだよ。"彼女ができた" "とても、優しくて心の広い最愛の女性なんだ"とーーーー。
今まで、数々の優斗さんの女遊びをしてきた姿を見てた俺は、その変化に驚いた。けど…………書類の件で優斗さんのマンションを訪ね、違う部屋に入ったら…………そこには、うなされて寝ている………8年ぶりに見る…………優斗さんのものになった、瞳の姿があったんだ…………」



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