禁域―秘密の愛―【完】
私は…………優斗を裏切った。
あんなに、私を大切にしてくれた人を………。
「………っ」
そんな私が、どんな顔で優斗の電話にでればいいの?
「…………瞳、大丈夫だから。優斗さんや朝香を裏切ったのは…………お前だけじゃない。俺もだ…………」
そう言うと、巧は私の手を握った。
「た、くみ…………」
「…………俺もいる。お前は一人じゃない。…………大丈夫だ」
巧の力強い言葉にーーーー、表情。何より私の手を握ったその温かな巧の手。
そしてーーーー
ーーーー"俺もいる"
巧がいる。それが分かっただけで私は"覚悟"を決めることが出来たんだ……….。
「ありがとう…………」
私は、巧にそう言うと電話を取った。
「…………はい、もしもし」
『瞳!やっと、出てくれたな………。何回メールや電話をしても出ないから心配した』
「っ、ごめんね。優斗………私、昨日観光し過ぎて疲れちゃって宿に帰ったら直ぐに寝ちゃったの………」
『ああ、そうか。でも、俺も夜に連絡したから、寝てるのかと思ってたけど……………それでも、やっぱり瞳の事が心配でさ。だから今、声が聞けて良かった』