禁域―秘密の愛―【完】


「………今日は本当にありがとう。関口、日暮君。瞳は俺が連れてく」

「はいはい、是非是非どうぞ?瞳、良かったね。楽しんでおいで!」

「また会いましょうね、瞳さん!」

「愛ちゃん、翔季君………」

本当に、この二人は素敵なカップルだ。

「じゃあ、お言葉に甘えて行くか?瞳」

「………うん!」





ーーーーーーーーー


「…………瞳、こっちにおいで」

巧は、優しくそう言うとセダンの助手席に私を座らせる。そしてーーーー


「………本当に悪かった。俺はあれからお前にろくに連絡もせず…………不安にさせたな…………」

そう言って………ふわりと包み込むように私を抱きしめてくれた。

「っ、巧っ………」

久々に感じる…………巧の温もりに私は、感動のあまり泣きそうになる。


ああ、ーーーー私は。



ずっと、ずっと、この腕を欲していたんだ。…………巧と、箱根で別れてからずっと。

「俺は………焦っていた。一刻も早く、桜庭家に返済する資金を用立てたくて仕事を詰めていた。最近は、結納の話まで出てきていたから………尚更」

…………結納。


その言葉に、胸が痛んだ。

春ももう………訪れようとしている。時間は、待ってくれない。

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