禁域―秘密の愛―【完】
「ああ………、すみませんがお願いします」
優斗は困ったようにそう担当者に言った。
「はぁ………何を考えてるんだか。あの人達は。訳が分からないな」
「予約してくれたのは優斗のお母様だよね?」
だったら優斗も何が起きてるかわからないのは当然か………。
「ああ、そうなんだが………」
ーーーーその時だった。
「あれ?………君はーーー」
「え………?」
どこかで聞き覚えのある男性の声がした。
「あっ………!?」
私は、部屋に入ってきた彼を見た瞬間、記憶が走馬灯のように戻ってくるのを感じた。
高校の時、巧と公園で過ごしていた私は、お手洗いから戻る彼と………ぶつかった。
目の前にいる巧の従兄弟の………安藤 啓史さんと。
私は………唖然として、彼を見つめるより他はなかった。
だって、彼がここに来る理由が見つからないーーーー。
「………啓史さん!?」
優斗も、びっくりしたように彼を見た。