禁域―秘密の愛―【完】
「やあ、優斗君。久しぶりだね」
啓史さんはまるで前から知っていたかのように、優斗に話しかける。
私は未だに状況がよく呑み込めずにいた。
「啓史さん、ご無沙汰しています………が、今日はなぜここに?」
「ん?もちろん、優斗君のご両親から君の恋人と会うから来ないかって誘われたんだよ。他にも、何人か園屋家の親族や、………朝香さんと巧も来るって聞いてたけど。まさか、知らなかったの?」
私は今の言葉に耳を疑った。
まさか巧がこの場に来る………なんて思わなかった。
何より、啓史さんは過去の巧と私の関係を知っている………。
もし、何か啓史さんに言われたら?優斗に、巧との関係を気付かれることがあったら………?
そう考えた途端………私の胸の動悸は一気に高まった。
「………俺達は、何も」
「あぁ………そうなんだ。まぁ、でもご両親も何か考えがあってのことだと思うよ。気にしないでいいさ」