禁域―秘密の愛―【完】

「私は…………」


確かに優斗の事を愛していると感じたから付き合った。育った環境や与えられた立場は違うけれど、優斗自身を大切にしたいと………思っていたから。その為なら何でも出来ると思ったし努力もしただろう。


だけど………きっと私の表面上の肩書きしか見ていないこの人達には何も届きはしないーーーー。

それが、巧との別れで嫌でも気付かされたことだから………。

「…………ッ」

そう思うと何も言葉が浮かばなくなった。どうすればいいの?どうすればーーーー




「…………お言葉ですが、園屋さん」

「え………?」


「綾瀬さんは、園屋さんが思っていらっしゃるよりもずっと、素敵な女性ですよ」


「た、…………」


ーーーー巧……………?



「………なぜ、君が口を挟むのかね?桐谷君」

一気に、その場の空気が変わったのを私は感じた。

巧………どうして?

今、私について何かを言ったら………私達の関係が怪しまれるかもしれないのに。

「俺は………高校の時、綾瀬さんと同じクラスでした。俺の知る彼女は、人が嫌がるような地味な仕事を嫌な顔せず進んでこなし、植物や自然を心から大切にしていました。そして、何よりも立場など関係なく人に対する思いやりが凄くあった。…………それは今でも変わっていない。そんな彼女の立場を見るのではなく人となりをみたらどうでしょう?誰も綾瀬さんに文句は言えないはずだ」



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