禁域―秘密の愛―【完】


巧は私の手を引っ張り続け、ホテルの地下駐車場まで来るといつもとは違った黒の高級車へと私を乗せる。

「ッ、巧………っ、巧……!」

私は慌てながらも巧の名前を呼び続けた。

「っ、ねぇ、巧…………!こんなことして良かったの……!?こんなっ……園屋家を敵にまわすようなことッ………」

それで、もしも今まで巧が築き上げてきた会社での功績や巧自身の評判が落とされたら………。

考えただけで、目眩がするーーーー。


「………ろ」

「えっ…………?」


「お前な………良い加減にしろ! なぜ分からないんだ!?黙ってられるか!?目の前で………一番大切な女が明らかに晒し者にされているのを見て………黙ってられるかよ………!?」

「………!!」


私は………この時、初めて見た。

こんなにも………目を血ばらせて、感情を露わにしている巧を。

いつ、どんな時も落ち着いてて……冷静な対処をしてきた巧がこんなにも取り乱して私を怒鳴るなんてーーーー。



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