禁域―秘密の愛―【完】
「ただでさえ………、優斗さんと一緒にいる、瞳を見て落ち着かなかったっていうのにっ………」
「………ッ、巧………」
ーーーーその時だった。
「………まだ、俺じゃ駄目なのか?瞳………」
巧は助手席に座っていた私を抱きしめ………そう言った。
「巧っ……」
「今日だって、考えると園屋さん達は瞳を晒し者にする為にわざわざ俺達を呼んだんだ。親族の前で瞳に対してわざと冷たくあしらって、普通の家庭で育った瞳と優斗さんとの交際を許しはしないという姿勢を瞳に見せる為に………」
「………っ」
巧の言う通りだ。優斗のご両親は最初から私を認める気なんて無かった。
「そう………だね」
私は俯きながら、そう頷くしかなかった。優斗のご両親でこの態度なら巧と私との関係がバレたら、一体どうなってしまうのか………。
また、巧と別れてしまうの…………?
それだけは、それだけはーーーー
「………瞳」
「…………!」
その時、巧がまた強く私を抱き寄せた。
「そんな顔をするな。俺は………瞳を絶対に守る。俺に力が無かった高校の時と今は違う。今日のようなことがまたあるなら、桐谷家の名を全力で盾にして瞳を絶対に傷物にはさせない…………」
「た……くみ……」
これでもかっていうくらい………どうしようもなく伝わってくる巧の気持ち。
離れてた期間は短いはずなのに………こんなにも抱きしめてくれる腕が愛おしく感じる。この腕を欲しているんだと強く思う………。
そして、何より朝香さんの元から戻って来てくれた………巧が凄く凄く大切に思えた。
…………ああ。私はやっぱりこの人が好きなんだ。
大好きなんだーーーー………。