禁域―秘密の愛―【完】
ーーーーその時だった。
マナーモードにしていた私のスマホがバイブ音を鳴らし始めたのは。
「…………!」
…………まさか、優斗?
そう思った瞬間、身体中の血の気が引いていく気がした。
だけど……ディスプレイに表示されていたのは"関口 愛"の文字。
「あ、愛ちゃんだ……」
愛ちゃんで良かった………。私はその安心感で思わず笑みをこぼす。
「関口?」
「っ、うん。電話でていい?」
「ああ、勿論」
『あ、もしもし?瞳〜?』
電話が繋がるといつもの愛ちゃんの声が聞こえてくる。
「あ、愛ちゃ…………」
………なんだろう?どうしてだろう?
愛ちゃんの声を聞いた瞬間………今まで、張り詰めた糸が切れたように私は涙をこぼしていたーーーー。
『ちょ、え!?どうしたの!?泣いてるの!?』
「っ、あっ………な、何でも無いよ………」
「………瞳っ?」
隣の巧もさぞかし驚いたのかセダンを車道の片隅に一時停止させた。
『ち、ちょっと!そこにいるのは桐谷君ね!?何、いきなり瞳泣かしてんのよ!』