禁域―秘密の愛―【完】
そのような訳で、思わず辺りを見回した。
………桐谷君とバッチリ目が合った。
「ひっ………!」
“何で俺を見てるんだ”
無言だけれど、なぜだかそう言われているような気がして………、私は慌てて目線を反らした。
もう既に辛い…………。
早く、1学期なんて終わって欲しい。
ーーーーーーーーーー
ーーー放課後。
「いいよね、瞳! あの桐谷君の隣だなんて!」
私はクラスで1番仲が良い関口 愛(せきぐち あい)と近くのドーナツチェーン店に来ていた。
愛ちゃんとは、1年生の頃から仲が良い。なので、クラスメイトになれて良かったと思う子の1人だ。
明るくて、人見知りもせず誰にでも笑顔で接する愛ちゃん。
演劇部にも所属していて、その実力は2年目にも関わらず中々のもの。
初めて劇に出演した時から、準主役級の役を担ってきた彼女は、今年は主役の座を狙っている。
そんな愛ちゃんは私の憧れでもあり、1番何でも言える親友といえる。