禁域―秘密の愛―【完】

「あのくらいかと思ったんだよ、油は。な、藤咲?」

「ああ、確かに」

「料理に関してはかなりバカね、二人とも………次期大企業の後継者と医者なのに」

愛ちゃんがそう言い、かれんちゃんも頷く。

「あはは………」


ーーーーフォローできない……。


「っ、別に良いだろ、今から上手くなれば。それより綾瀬達の話を聞くはずじゃなかったのか?」

「あっ…」

そうだ。巧達の衝撃があって忘れてたけど………かれんちゃん達にはまだ何も言えてないんだ。

言わなきゃ………いけないよね。


「そ、そうよ!一体どうして桐谷君と瞳ちゃんがまた一緒にいるの?それに瞳ちゃんにはーーーー」

かれんちゃんはそこで、罰が悪そうに母を歪めると言葉を止めた。

多分………言おうとして咄嗟に止めたんだ。

私に………園屋 優斗という恋人がいることを。

「………優斗さんのことか?」

けれど………巧は静かに、かれんちゃんの言葉を繋いだ。
< 504 / 714 >

この作品をシェア

pagetop