禁域―秘密の愛―【完】
「あのくらいかと思ったんだよ、油は。な、藤咲?」
「ああ、確かに」
「料理に関してはかなりバカね、二人とも………次期大企業の後継者と医者なのに」
愛ちゃんがそう言い、かれんちゃんも頷く。
「あはは………」
ーーーーフォローできない……。
「っ、別に良いだろ、今から上手くなれば。それより綾瀬達の話を聞くはずじゃなかったのか?」
「あっ…」
そうだ。巧達の衝撃があって忘れてたけど………かれんちゃん達にはまだ何も言えてないんだ。
言わなきゃ………いけないよね。
「そ、そうよ!一体どうして桐谷君と瞳ちゃんがまた一緒にいるの?それに瞳ちゃんにはーーーー」
かれんちゃんはそこで、罰が悪そうに母を歪めると言葉を止めた。
多分………言おうとして咄嗟に止めたんだ。
私に………園屋 優斗という恋人がいることを。
「………優斗さんのことか?」
けれど………巧は静かに、かれんちゃんの言葉を繋いだ。