禁域―秘密の愛―【完】
「瞳、誤解をするな。決してお前を一人にはしない。瞳も連れて行く。そして優斗さんにも来てもらう」
「えっ………?」
「全てを話す。俺たちの身に起こった………全てを。高校時代から今までのことを………全部。そして、桜庭家に借りた資金を全て返済する準備も整える」
「準備………できたの…………?」
私と巧を蝕んだ………倒産寸前だった桐谷商事に桜庭家から巧と朝香さんの婚約という形をもって提供された莫大な資金。
「あぁ。思えば、俺は長い間、個人資産も貯めて来た。瞳と離れていた8年の間にな………何を思っていたのか、ずっと。きっと、俺は心のどこかでお前と会えないと思いながらも、諦め切れてなかった。そしていざ、瞳と再び会ったならば………自分の全ての資産を投げ打ってでも瞳を俺のものにしようと………そう思っていたんだ。今、思えば」
「私の為に………?」
巧の個人資産はきっとかなりのものだ………そんな大きなものを、私の為に………取っておいてくれていた。
また、会えると信じて。
必ず………私達は結ばれると信じて。
「巧っ………!」
「わっ…………!瞳っ?」
私は信号待ちでセダンを停止させていた巧に抱きついた。