禁域―秘密の愛―【完】
「っ、それで………?」
私は、桐谷商事の過去に驚いたものの同時に巧の父親ーーーー、桐谷 光ならば考えそうな事だと思った。
目先の利益や欲求を満たす為なら何でもやる。 ………あの人はそんな人だった。
「………これはまだ世間には知らされてないけど。最近になって その会社が、新たなエネルギー発電を開発した事が分かったの。環境に負荷がかからない事とコストもそんなにかからない。だから今、それが業界で最も注目されてるの。エネルギー関連の企業が国内外問わず、その会社と提携しようと必死になってる。巧のお父様は、ブラジルのその会社ともう一度契約を結び、そのエネルギー発電を日本に持ち込み利益を得たい。けれど一度手放してしまっているから、信頼をもう一度得る事はとても難しい。 ………寧ろ、 桐谷商事の人間を恨んでいる輩の方が多いわ」
「っ………まさか、巧はーーー」
「…………そう。 ………あなたが思ってる通りよ、瞳さん。巧は………あなたとの関係が公になった事から、 社長からそのブラジルの会社に乗り込んで交渉しに行く任務を任された………。成功すれば、桐谷商事にとってはとてつもなく喜ばしい契約………だけど、その過程の間には何があるか分からない………この意味、分かる?瞳さん………」