禁域―秘密の愛―【完】


「………分かったわ」

朝香さんも、少しずつ立ち上がると私達は待たせてあったタクシーに乗った。

人々の喧騒が段々と遠ざかっていくのが分かった。けれども私にはそんな事はもう頭に無くて。

ただただ、巧の事で心はいっぱいだったーーーー




ーーーーーーー

愛ちゃんのアパートに着いた私達は、この間皆でお好み焼きを食べたリビングに出向く。

私はボンヤリとその光景を思い出した。巧と生きていくと決めて。かれんちゃんや藤咲君もいて………。

あの時は凄く幸せだったのに………。

「………初めましてですよね。私は、瞳の高校時代からの親友で関口 愛といいます」

そして重苦しい空気の中、口を開いたのは愛ちゃんだった。

「………桜庭です。 桜庭 朝香です。瞳さんと私はーーーー」

朝香さんはそこで言葉を止めた。………その先は、私もどのように説明したらいいか分からなかった。

「………いい言葉が見つからなかったら、それでも良いです。取り敢えず、今私が………桜庭さん。あなたについて知ってる事から言わせてもらうと、あなたは………桐谷君。桐谷 巧君の婚約者ですよね?」

「………ええ。一応」


「だったら、話は早いです。瞳。桐谷君に一体今何が起こってるのか桜庭さんと説明してもらえる?」
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