禁域―秘密の愛―【完】
「………うん」
私は愛ちゃんに今まであった事を事細かく話した。巧との事が優斗達に、啓史さんにより暴露された事。
そして、私はその場で倒れ、園屋家御用達の病院である種の監禁状態のような目にあった事。
………そして、巧が途轍もない難題を抱えてブラジルへ行く事………。
朝香さんがブラジルの会社の説明は事細かくしてくれた。
「桐谷君………まさか、そんな事があったなんて。でも、瞳。やっぱりこのままじゃダメよ。何としてでも桐谷君を止めないと!その事業がどれ程のものかは知らないけど人の命を天秤にかけるなんて間違ってるし、もしかしたら二度と会えなくなるのよ!」
「っ、分かってる………!分かってるけど………!私には何も手がかりは残されてない!優斗だってきっと何も教えてくれない………!一体一体どうしたらーーーー」
度重なる絶望的な現実に私の頭の中は完全に混乱していた。
「っ、瞳!取り敢えず片っ端からブラジル行きの便がある航空会社に連絡してーーー」
「…………いえ。その必要は無いわ」
「………え?」
朝香さんが不意に静かに言ったその台詞に愛ちゃんと私は目を丸くした。