禁域―秘密の愛―【完】
「まさか………。瞳、そこのクローゼットの中に隠れてて。何とか誤魔化すから。桜庭さんあなたも」
「その前にちょっとインターフォンを覗かせてもらえる?」
朝香さんはそう言うと、インターフォンを操作した。画面に映っているのは優斗ではなく………中年くらいのスーツに身を包んだ男性だった。
「優斗じゃない………」
私はホッと胸を撫で下ろす。けれどーーーー
「これは………陶山(すやま)だわ。園屋家の人間につく世話役の一人よ。やっぱり優斗君はこの辺りにいる」
飛鳥さんは冷静にそう答えた。
世話役の人達まで私の事を探してるなんて………。
「関口さん、瞳さんだけそこのクローゼットの中に入って貰った方がいいと思う。陶山は、園屋家の人間。だから親類関係にある桜庭家の一人娘である私の言う事に従うのも勤め。だから、あたしがこの場は誤魔化すわ」
確かに………それもそうだ。
朝香さんは優斗の従姉妹で世話役の彼らにとっては仕える主であるのと同然。
私は瞬時に納得した。
「………分かりました。朝香さん、お願いできる?」