禁域―秘密の愛―【完】
「ええ」
飛鳥さんはそう言って私に優しく微笑むと玄関の方へと向かう。
「………なんか、急に頼もしい味方になったね、桜庭さん」
「うん。………本当に」
私は愛ちゃんと顔を見合わせると笑いあった。
「じゃあ私は隠れるね?愛ちゃん」
「はい、了解。あたしは一応このリビングで待機してるわ」
私はその愛ちゃんの返答を聞いた後、人一人分くらい入れるクローゼットへと身を潜めた。
「何かこちらのお宅に用? 陶山」
「え、あ、朝香様!?」
そしてクローゼットからは二人の会話が充分に聞こえる。
私は耳を潜め二人の会話を聞いた。
「えっと、私は………優斗様の申し付けでここに」
「そう。濁さなくていいのよ。どうせあの女の事でしょ?優斗君だけでなく巧までエラくご心酔している綾瀬 瞳。私も物凄く彼女に対しては腹が立ってたのよ。だからこのお友達の家まで追いかけてきたのだけど………ここにはもういないわね。というか、あたしが追い出したわ」