禁域―秘密の愛―【完】

「無駄、って………何が?」

「………朝香。ここにはお前以外いないのか? 瞳の親友がいるんじゃないのか?」

「ああ、この部屋の主ね。いないわ。瞳さんを追って出て行ったわよ」

朝香さんがそう言うと優斗は暫く黙っていた。けれども………静かに口をひらいた。


信じられない真実と共にーーーー



「………朝香には反対されると思って黙っていたが。 まぁいい。もう決まった事だからな…………。巧君は一ヶ月後にブラジルには行かない。発つのは明日の朝だ」





……………え?

明日の………………朝?


「ーーーッ!」

私は思わずクローゼットの扉を開いた。はやる鼓動を抑えきれずに………。

そして、あまりにも勝手で突然な優斗達の行動に怒りを抑えられなかったんだ………。


「………!瞳っ………!ダメ、行ったら………!」

愛ちゃんが私を見た途端小声で止めようとする。

「っ、でも愛ちゃんっ………私っ、私ーーーー」

「………瞳の気持ちは凄く分かる。だけど今行ったらどうなるの?園屋さん達に捕まって、またどこかに閉じ込められるのが目に見えてる………!そしたらもう本当に、桐谷君に会うことさえ出来なくなるの………!それでもいいの………!?」



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