禁域―秘密の愛―【完】
力強い目で愛ちゃんは私を見つめている。
………そうだ、確かに今ここで出て行けば………二度と巧に…………。
「………っ」
そんなのは………耐えられない。
「分かった…………」
そう言うと、私はリビングで愛ちゃんと息をひそめ、優斗と朝香さん二人の会話をまた聴きはじめた。
「明日の………朝?優斗君、何冗談言ってるの?嘘でしょ?」
「朝香、嘘じゃない。………巧君には約束させた。 明日の朝、朝一の便でブラジルへ行く事。そして、彼の仕事は三年以内に、アテラ エネジア社と 新エネルギー使用に関しての正式な契約を結んでくることだ」
「三年!?ーーーー優斗君、正気!?ただでさえ、アテラ社のエネルギー交渉は世界各国からの企業競争が激しいのよ。だからアテラと交渉するまで到達することさえ少なくとも数年かかると言われてるのにそれを契約まで三年だなんて! いくら、巧でも………出来るわけない!それに………桐谷商事はアテラ社から恨みをかってるのよ。そんな無理難題、先方が引き受けてくれるなんて………優斗君も、桐谷社長も安藤さんも本気で思ってる訳!?」