禁域―秘密の愛―【完】


朝香さんは、真剣な眼差しで私を見ていた。

…………そうだよね、 まだ時間がない訳じゃないんだ。

考えるんだ。

この世でただ一人、大好きな人と一緒にいられるように…………。

「…………うん。 ありがとう、朝香さん」

私がそう言うと、朝香さんも微笑んだ。 その時ーーーー。

玄関のインターフォンがまた鳴り響いた。 愛ちゃんがカメラでその顔を確認する。

「桐谷君だ。 瞳、お出迎えしてあげたら? 早くアンタに会いたくてソワソワしてる感じよ?」

愛ちゃんがイタズラに笑ってそう言う。けれど、それにかまっている余裕さえ私はその瞬間無くなってーーーー。


「…………巧ッ!」

ただ、巧の事しか考えられなくなって…………その巧の姿を見た途端、私は 抱きついていた。

「…………!瞳…………!」


「やっと…………やっと、会えた。巧…………巧っ…………会いたかった。会いたかったよっ…………」


「っ、瞳…………俺もだ…………っ、俺もお前に会いたくて仕方なかったよ…………」


巧も、私をキツくキツく抱きしめ、そして…………


「…………んんっ…………」


心が一気に温かくなるような、深いキスを私の唇におとしたーーーー。
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