禁域―秘密の愛―【完】
けれど、巧は、それには何故か口を噤んだ。
「…………巧…………?」
どうして…………そんな、思いつめたような顔をするの?
巧も私と同じ気持ちじゃないのーーーー?
「…………ッ、たく…………」
「…………瞳。 俺もだよ。俺もずっとお前と一緒にいたい。だから、俺は今すべき事をしなければならない。お前との未来の為に」
「え…………?」
「…………瞳。朝香は向こうにいるんだな? 朝香に俺も話がある。瞳もその場に居てくれ。お前にも聞いてもらいたいんだ」
巧が真剣な眼差しで私にそう問いかける。
あまりにも、有無を言わせないその決意の強い眼差しの前には何も言えず、私は首を頷かせるしかなかった。
ーーーーーー
「…………!桐谷君!」
「巧…………」
リビングのドアが開くと、愛ちゃんと朝香さんがソファーに座って私達を待ち構えていた。
「…………関口、悪いな。また俺らの事にこのアパートを使ってしまって」
「そんなの全然構わないわよ、もう高校の頃から桐谷君と瞳に協力するのは慣れてるし?」
そう言うと愛ちゃんは、どこか悪戯めいた顔をして微笑んだ。 それに、巧も安心したように笑う。