禁域―秘密の愛―【完】
そして、巧は朝香さんの方に目線を合わせた。
「巧…………」
「…………朝香」
朝香さんの………巧を見つめる目はどこまでも私には切なげに見えた。
けれど、ふとした瞬間に、巧に向かって口元を綺麗に微笑ませた。
「………巧、言いたいことがあるなら早く言った方が良いわよ?私が気が短いのを知ってるでしょ?」
「朝香………、本気で言ってるのか?」
「失礼ね。ーーーー確かに、今までの私なら巧の話なんて聴こうとしなかったわ。 でも、気が変わったの。 ………私の大好きなあなたがどうすれば本当に幸せになれるのか………その答えを知らないまま、ここまで来てしまった。それほど、虚しいことはないって気付いたの。 だから、言って。あなたが今どうしたいのか。本当は………何を欲してるのか。あたしはそれが知りたいの」
巧は、その朝香さんの言葉を聞いた途端
驚いたように目を見開いた。けれど、暫くしてから意を決した様に、飛鳥さんを見つめ直し………
「…………朝香に、正直になるよ。俺も」
ーーーーそして、隣にいる私の手を握りしめた。
「ーーーー…………高校の時からずっと、俺が好きなのは、この綾瀬 瞳だけだ。瞳をずっと想ってきた。俺は………彼女と共に生きたい。 それが俺の幸せだ。他には何もいらない」