禁域―秘密の愛―【完】
「へっ?」
確かに、もう7月も近いし暑いことは暑いけど。
「桐谷君。私、10分くらいしか歩いてないよ?」
その距離だとそんなに喉も渇かない。
けれど、わざわざ心配して買ってきてくれたのかな?
「っ!それもそうだな………。何やってんだか………。綾瀬、いらないなら良いんだぞ」
そう言って、そっぽを向く桐谷君。
やっぱり、心配してくれてたんだ。
そう思うと、照れたように横を向く桐谷君が凄く可愛く見えて………、そして、何より心配してくれたことが嬉しくて。
「いる。絶対いるよ?」
私は微笑んで、桐谷君の手にあるペットボトルをとった。
「ありがとう、桐谷君。私………、凄く嬉しいよ」
「あ、ああ。じゃあ、行くか」
「うん」
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私達は、当初から決めていた映画を観ることにした。
全米で大ヒットした、難病を抱え、2年しか生きられないと宣言された子犬とその子犬を育てた家族の物語。
桐谷君と映画の話をしたときに、意外にも共通して話題になったのがこの映画だった。