禁域―秘密の愛―【完】
その時、桐谷君が私の方を振り向いた。
そして………
「綾瀬、早くこっち来いよ?」
そう、笑って言ってくれた。
「あ……」
桐谷君………、あの女の人達よりも私に振り向いてくれた。
どうしよう。凄く嬉しい………。
「えっ?まさか、彼女?」
女性の1人が、席に着こうとした私をジロジロと舐め回すように見る。
な、なんか………、視線が突き刺さる。
ーーー分かってるよ。桐谷君と私の容姿じゃ釣り合わないってことは………。
だけど………
「………彼女ですよ。だから、お姉さん達、邪魔しないでくれます?俺、この子といたいんで」
「へっ?」
き、桐谷君………今、なんて?
「な、なによ!」
「信じらんない!ガキのくせに!ちょっと顔がいいからって!出よ!」
「お、お客様!ああっ、ちょっと!」
桐谷君の言葉に、憤慨したお姉さん達は注文を取りに来た店員さんを他所に、お店を出て行った。