禁域―秘密の愛―【完】
「ったく、………やっと終わったか」
桐谷君は、はあ、とため息をつく。
私はというと、さっきの"彼女"という言葉が頭から離れない。
「き、桐谷君………」
さっきの言葉………気になる。
だけど、あの女の人達を追い払うためだろうし………?
「あ、わ、悪い。いきなり彼女って言って………困らせたな」
桐谷君は、バツが悪そうな顔をして私を見つめる。
やっぱりただ、追い払うためか………。
私は、心の中で浮き立っていた気持ちが一気に沈むのを感じていた。
「だけど、俺は………」
その時、着信音が聞こえた。桐谷君のスマートフォンからだ。
「………ごめん。ちょっと出てくる」
桐谷君はそう言うと、お店の外に出て行った。
「誰………だったんだろう」
ううん。それよりも………
「やっぱり………、彼女にはなれないのかな?」