禁域―秘密の愛―【完】
そんなことを呟いてしまい、私はハッと気が付いた。
私………、だんだん欲深くなってる?
前までは、桐谷君の傍にいれるだけでいいと思っていたのに。
今では、桐谷君にとって、特別な存在になりたいと強く願う自分がいる。
「………っ」
ーーー苦しい。
好きになればなるほど、今までに感じたことのない感情が、私をがんじがらめにする………。
桐谷君を、私だけの人にしたい。
好きだって言って欲しい。
それが叶わなければ、もう………満足できない。
頭の中がそんなことばかりで私じゃないみたいだ。
恋をすると………、こんなにも欲深くなるなんて。
「綾瀬、ごめんな。いきなり出て行って」
「あっ………」
いつの間にか、桐谷君が戻ってきていた。
「何か、注文とったか?」
「ううん………。とってないよ?」
「そうか。じゃあ選ぶか?腹減ったな?」
私にそう言って、笑いかける桐谷君。
だけど、私は初めての気持ちに、どうしていいか分からず、ただ作り笑いを浮かべることしか出来なかった。