禁域―秘密の愛―【完】


「まぁまぁ………。 でも、翔季君って昔から愛ちゃんの事は絶対に一番に考えてるから。だから今回も 愛ちゃんとの将来も考えて今は真剣にどこのプロチームに行くか悩んでるんだよ」

「そ、そう………?そう見える? そしたらそうかもしれないわね………。まったく、しょうがないんだから………」

私の返答に思い当たる事があったのか、愛ちゃんは照れながらもどこか嬉しそうにそう言った。

愛ちゃんも………かれんちゃんも。 ちゃんと、自分が一番好きな人と未来を歩き出そうとしている。

二人ともとても大切な私の親友。だから二人の幸せな姿をこの目で見られるのはとても嬉しかった。

「なんか、脱線してしまったわね………。 よしっ、瞳。 今日が本番ね? あたしは瞳が今まで頑張ってきた姿をよく見てきたから………もう頑張って、とは言わない。 自分を信じて………そして、幸せになるのよ? 桐谷君と! 観客席でちゃんと瞳の勇姿を見とくから!」

「ありがとう………愛ちゃん。わざわざ、この日の為にお仕事まで休んでくれて」

「何言ってるのよ、瞳の大切な決断の日に仕事なんてしてられないわ」


そう言って、悪戯っぽく愛ちゃんは微笑んだ。

薬剤師だって、医療関係の職業になるため年がら年中忙しい筈だ。 それなのにこうして今日、私の為に仕事を休んで応援に来てくれた。

本当に昔から愛ちゃんには………感謝してもしきれない。





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